山歩き・里歩き

2度目のHENRO TRAIL⑧  国境の峠を越えて伊予国へ、そしてあっけない幕切れ

11月9日、39番札所延光寺に参拝したのち、宿毛市街を経て国境の松尾峠へ向かう。 徳島・高知県境の古目峠のところでも取り上げたが、江戸時代土佐藩は国境の峠で厳しい監視をしていたという。この松尾峠も土佐と伊予を結ぶ重要な道だったから、土佐藩は「松…

2度目のHENRO TRAIL⑦  足摺への長い道のり

11月1日、35番清滝寺・36番青竜寺に参拝し、民宿汐風に宿泊。 清滝寺の手前、仁淀川にのぼる朝日 清滝寺にのぼる石段 清滝寺は土佐(高岡)市街から見上げる山の中腹にあって、険しい登り道となるから、登り口に近い笹岡タクシーでは荷物預かりのお接待をし…

 2度目のHENRO TRAIL⑥  外国人のお遍路さん

10月30日、大日寺の通夜堂を早立ちし、松本大師堂まで歩いて遅い朝食。湯を沸かしてカップ麺をすすっていたら、一週間ほど前から顔見知りになっているオーストラリア人のベンがやってきた。 遍路に出掛けた日から連日25度を超える暑さで、Tシャツ一枚で歩い…

2度目のHENRO TRAIL⑤  神峯神社の秋祭り

11月26日、徳島県から高知県に入って24番最御崎寺に参拝。 徳島県最後の札所薬王寺を過ぎれば、次の札所最御崎寺まで75km。高知県に入れば交通量の多い国道55号を歩くことがほとんど。 延々と続く海岸沿いの国道は変化に乏しく、道路脇の歩道も充分に整備さ…

 2度目のHENRO TRAIL④ 土佐街道

10月24日、22番平等寺から徳島県最後の札所23番薬王寺へ向かう。今夜はその手前、恵比須浜キャンプ場でテント泊。 25日、薬王寺参拝したのち日和佐~牟岐間をJRで移動。牟岐から高知県境の宍喰まで歩き、ゲストハウスみつ佳に宿泊。 土佐に向かう街道は何…

 2度目のHENRO TRAIL③  「お鶴 太龍」

鶴林寺 10月22日、立江寺を出れば四国遍路の難所「遍路転がし」の二つめ、「お鶴」(20番札所鶴林寺)への登りが待っている。寺は標高490mの山にあるから、燒山寺に次ぐ難所に違いない。 それに鶴林寺から下った南麓に宿泊施設が無く、歩き遍路の人は近くの…

2度目のHENRO TRAIL②  「遍路転がし」

燒山寺道の途中、浄蓮庵には巨大な一本杉を背にした大師像が。 10月19日、12番札所燒山寺へ。 「遍路転がし」とは四国遍路の難所をいう言葉で、阿波の難所としては「一に燒山、二にお鶴、三に太龍」がある。 四国遍路最大の難所は何と言っても燒山寺道だろう…

2023北海道旅行③  礼文島縦走2泊3日

今回の旅のメインは花の礼文島を歩くこと。 北海道に出掛ける前、インターネットで情報を漁っていたら、「礼文島トレイルオフィシャルウェブ」のページがあって、島にはいくつものトレイルコースが設置されているという。これを参考に島の北端スコトン岬から…

2023北海道旅行② 滝ノ上温泉と中岳温泉

樽前山に登って溶岩ドームをながめた後、十勝を経て大雪山の東、士幌町にある「幌加温泉 湯元鹿の谷」を目指した。 人里離れた山奥にポツンとあって、これぞ秘湯という一軒宿。ここでは泉質の異なる三種類の湯が楽しめる。実は何年か前に立ち寄って惚れ込み…

2023北海道旅行① 積丹半島

7月10日から2週間ほどの間、北海道をうろついていた。 当初、フェリーで小樽に上陸したら海岸線を北上し、礼文島を歩くという計画だったのだが、天候が悪く、とりあえず西に向けて積丹半島の島武意海岸からカムイ岬へ。すばらしく雄大な海岸風景を堪能する…

HENRO TRAILを歩いた ⑫ ついに結願!

20日目、84番屋島寺・85番八栗寺・86番志度寺に参拝し、志度のいしや旅館に宿泊。遍路歩き最後の夜、宿のご主人・女将の暖かいもてなしに感激。 屋島寺は山頂部が平坦で周囲を崖に囲まれたテーブルマウンテンにある。参拝したのち急崖につけられた遍路道を恐…

HENRO TRAILを歩いた ⑪

18日目、宿を6時台に出発。79番天皇寺から82番根香寺まで参拝し、五色台の遍路小屋に泊。 宿を出るとき、女将さんが「前半は平地で、後半五色台に登るだけだから楽ですよ」。確かに今日の行程は26kmほどだからナメていた。80番国分寺の手前の山下うどん店で…

 HENRO TRAILを歩いた ⑩ 

14日目、愛媛県最後の札所65番三角寺に参詣し、県境の境目峠を越えると吉野川の上流域にあたる徳島県三好市池田町。次の66番雲辺寺は四国八十八カ所霊場としては香川県最初の札所なのだが、その所在地が徳島県三好市池田町と知って、びっくり。 今夜の宿は雲…

HENRO TRAILを歩いた ⑨

7日目、松山市内の48番西林寺から53番圓明寺までの6ヵ寺に参拝し、圓明寺前の民宿へ。 8日目、今治市菊間まで歩いて青木地蔵堂に泊まる予定を変え、市内に住む娘夫婦宅へ。 9日目、54番延命寺から58番仙遊寺まで今治市内の5ヵ寺に参拝、仙遊寺通夜堂泊。 7…

HENRO TRAILを歩いた ⑧

3日目、大洲から薪谷商店街・内子の街を抜け、小田の堂山太師堂に泊。 4日目、農祖峠遍路道を進んで44番大寶寺へ。山越えし今夜の宿「癒やしの宿八丁坂」へ。 5日目「癒やしの宿八丁坂」に連泊して岩屋寺往復。この日がこの旅初めての二食付宿泊となった。昨…

 HENRO TRAILを歩いた ⑦(続編)

この春3月6日から30日まで四国遍路の道を歩き、愛媛県最初の札所40番観自在寺で一旦中断していた。歩くに暑くない10月末を待って遍路を再開。今回も同じく昔の遍路道を忠実に歩くこと、まかない付きの宿泊施設に出来るだけ頼らない歩き遍路を目指した。 41番…

宮島 七浦巡り

たまたま厳島神社のHPを見たら、「安芸の宮島まわれば七里、浦は七浦七恵比寿」という里唄があって、宮島の海岸線に多数ある神社のうち、七つの浦に祀られている神社を「七浦神社」というのだそうだ。 七浦巡りは、厳島神社のご祭神が島を一周して自らの鎮…

HENRO TRAILを歩いた ⑥

四国遍路25日間のまとめ。 最終日を除く24日間の移動距離は611km。交通機関利用部分が60kmほどあるから、歩いたのは550kmほど。1日の平均歩行距離では22 kmとなる。 今回の旅で目指したのは、宿泊施設に出来るだけ頼らない歩き遍路。知らない土地を一人歩く…

HENRO TRAILを歩いた ⑤

四国遍路19日目、岩本寺のある窪川から有井川まで行き、伊田観音堂で泊。 20日目、四万十川河岸でテント泊。 21日目、以布利の民宿に宿泊。 22日目、金剛福寺に参拝ののち折り返し、大岐の浜でテント泊。 三十七番岩本寺から足摺岬の三十八番金剛福寺までは8…

HENRO TRAILを歩いた ④

四国遍路12日目、二十七番神峯寺に参拝し、安芸市伊尾木の民宿(素泊まりの宿)へ。 神峯寺への道は「真っ縦まったて」と呼ばれる難所の一つで、標高430mの山にある。参拝して山を下ると、登り口に「よさこい秘話」の案内板があるのに気がついた。 昔流行した…

HENRO TRAILを歩いた ③

四国遍路9日目からは、二十三番札所薬王寺から室戸岬の二十四番札所最御崎寺まで、75kmの長い道のりとなる。 9日目はJR牟岐線に沿った国道歩き。1両編成の列車がのどかに走り抜けていった。私は鉄オタでもあるし足も痛む。乗らない理由は無い。乗車した山…

HENRO TRAILを歩いた ②

四国遍路4日目。前日泊の鍋岩から峠を一つ越えて下り、十七番井戸寺まで。 5日目、徳島市街を抜けて十八番恩山寺に参拝。 十二番札所燒山寺からの下り、急斜面を切り開いた集落。 本来の遍路道は徳島市街背後に聳える眉山越えの道らしいが、私は徳島市街を抜…

HENRO TRAILを歩いた ①

2022年3月6日から30日まで、はじめて四国遍路に出掛けた。その旅の模様や感じたことなど、あれこれ取り上げたい。 出掛ける前に準備したのがへんろみち保存協力会編『四国遍路ひとり歩き同行二人』(地図編)。本の表紙裏には遍路に出掛けた勝蔵という者が所…

出雲街道(勝山宿ー溝口宿)を歩いた

出雲街道は播磨国姫路から出雲国松江に至る街道。古代においては都と出雲を結ぶ官道であり、江戸時代には松江藩など諸藩の参勤交代の道でもあった。ネット上で「出雲街道を歩こう」の記事を見て興味を持ち、中国山地越えの部分を歩いてみた。 ヤマレコ「出雲…

裏山にイグチが大発生

7月13日中国地方では梅雨が明けたというのに、広島では相変わらず梅雨のような雨続き。7月20日、久しぶりの雨上がりで裏山を歩いていると至る所にキノコ。雨上がりでそれっとばかりに大発生していた。 中でも多かったのがイグチの仲間のアカヤマドリ(下写真…

島根半島四十二浦を歩いた

ヤマレコ「島根半島四十二浦巡り」より 島根半島の海岸は日本海の荒波に削られた絶壁や磯が続く。断崖のあいまに点在する小さな入り江の漁村(浦)を巡って神社を参拝する「島根半島四十二浦巡り」が古くから行われていたという。海辺の道は少なく、隣の浦に向…