HENRO TRAILを歩いた ②

  四国遍路4日目。前日泊の鍋岩から峠を一つ越えて下り、十七番井戸寺まで。

  5日目、徳島市街を抜けて十八番恩山寺に参拝。

f:id:kohanatoharu:20220406102007p:plain

十二番札所燒山寺からの下り、急斜面を切り開いた集落。

 本来の遍路道徳島市街背後に聳える眉山越えの道らしいが、私は徳島市街を抜けるコースを歩いた。徳島市街は幾筋もの川が流れる水の都。都心を流れる新町川のほとりはきれいに整備された遊歩道となっていた。

f:id:kohanatoharu:20220406101837p:plain

徳島市中心街。新町川のほとりには遊歩道が設置されていた。

 6・7日目は「一に焼山、二にお鶴、三に太龍」と呼ばれる阿波の難所の2・3番目、二十番鶴林寺(標高495m)と二十一番太龍寺(標高520m)へ。その後二十二番平等寺に参拝。

 鶴林寺太龍寺の間には宿泊施設が無いから20kmを越える山道を1日で歩く人が多いのだが、当方にはテントと炊事道具がある。6日目は両寺の中間点大井の小学校跡でテント泊。鶴林寺道の登り口で焼き鯖とお酒を買って登ったから、夕食は豪華焼き鯖定食・お酒付き。ここまでは余裕の山歩きだった。

f:id:kohanatoharu:20220410160736j:plain

夕食は道の駅で買った焼き鯖にご飯、味噌汁。お酒は欠かせない

f:id:kohanatoharu:20220406102626p:plain

f:id:kohanatoharu:20220406103145j:plain

二十番札所鶴林寺の山門

 

 翌日の太龍寺越えからが大変だった。一気に初夏のような陽気となって、セーター・ヤッケを脱ぎ捨ててTシャツ1枚に。足は蒸れ、指やかかとに水ぶくれが出来てしまった。用意していた針で水を抜くのだが、結局痛みをこらえて歩くことになってしまった。

f:id:kohanatoharu:20220406103602j:plain

二十一番札所太龍寺の鐘楼門

 7日目の宿は平等寺横の民宿山茶花。きさくな女将さんの料理に大満足の夜になった。驚いたのが、宿の玄関内側には小さな菓子屋さんを思わせるほどの菓子類、カップ麺・どら焼きなどが置いてあったこと。朝出掛けるお遍路さんに要るだけ持ってけという。

 遍路道の道沿いには食べ物を買える店がまるでない事が多く、これは女将さんのお接待なのだった。案の定、ありがたく頂戴した大福・どら焼きだけでこの目を過ごすことになった。

f:id:kohanatoharu:20220406110459j:plain

遍路道のわきに六地蔵が。

 8日目、平等寺からは太平洋岸沿いの遍路道をたどり、二十三番薬王寺に参拝。寺の目前、道の駅日和佐にある遍路小屋を今夜の宿に予定していたが、予報によると夜半からかなりの量の雨が降るという。

 ここの遍路小屋の壁は外から小屋内が見えるように、角材が隙間を空けて打ち付けてあるだけだから、風雨が吹き込む。小屋内にテントを張ったところで濡れればザックの重さが一気に増えてしまう。そこで道の駅に掛け合って、閉店後の店舗の軒下にテントを張ることを認めてもらった。

 道の駅日和佐の前は交通量の多い国道、向かい側にはコンビニもある。悪い予感が見事に的中して、コンビニ店前の賑やかな若者達と国道を走る車の騒音で睡眠不足。軒下に張ったテントも吹き込む雨に濡れる、最悪の一夜となった。