今回の旅のメインは花の礼文島を歩くこと。
北海道に出掛ける前、インターネットで情報を漁っていたら、「礼文島トレイルオフィシャルウェブ」のページがあって、島にはいくつものトレイルコースが設置されているという。これを参考に島の北端スコトン岬から南端の知床までの山道を縦走することを計画した。
歩いたコースが下図。島を歩いて思ったことなど、あれこれとりあげたい。
1日目、スコトン岬~久種湖畔キャンプ場(岬巡りコース)
稚内森林公園キャンプ場を朝6時前に出て、稚内港フェリー乗り場へ。約2時間かけて礼文島香深港に到着。島内を走る路線バスに乗り換え、スコトン岬まで移動したら、ここがスタート地点となる。
初日の岬巡りコースは、その名のとおり日本海に突き出した岬と、鮑古丹・鉄府・西上泊といった入江の漁村を巡るコースだ。
前日まで雨模様の日が続いたこともあって、コースはひどくぬかるんでおり、特にゴロタ岬一帯の急坂では溝状になった道が滑り台と化していた。注意しながら歩いたのだが、結局転倒して泥だらけに。
関係者の方には是非滑り止めの対策をお願いしたい。
宿営地とした久種湖畔キャンプ場は、見事に管理されていた。気持ちよくテントを張って寝そべっていると、芝生の中を飛び回るカラスがギャアギャアとうるさい。
テントの中から窺っていると、親と図体の変わらないヒナが餌が欲しいと親につきまとっていた。迷惑そうに逃げながら、餌を見つけては子に与える様子は、我が家の庭にやってきて餌をあさるスズメの親子とそっくり。
夕食の食材は無洗米とアマノフーズの「ひきわり豆のトマトカレー」、それに稚内で調達したナス。
翌朝、鍋に残しておいたご飯に水を注ぎ、ヒガシマルの「ちょっとぞうすい」・ワカメがたっぷり入った「そば・うどんの具」を加えて温めれば、朝食の完成。
料理のポイントは、炊いたご飯の鍋から、今夜食す量だけをカレーの鍋に加えること。これで翌朝おいしい雑炊が作れ、洗い物も最小限ですむ。
昨年歩いた四国遍路でやっていた食事プランで、これぞ軽量・コンパクトの極み。しかも美味。
2日目、久種湖畔キャンプ場~緑ヶ丘キャンプ場(8時間コース)
今日は8時間のロングコースだから、朝5時前に出発。
昨日からそうなのだが、島には森がほとんど見られない。礼文が花の島であることとイコールなのだが、その理由を強風の吹きさらす北の果ての島だから、と思っていた。
コース途上に林野庁の看板があって、一面の草原は山火事によるものだ、とある。そういえば昨日、人家がまばらにしかない集落に「山火事注意」ののぼりが立っていた。「?」と思いながら通り過ぎたが、後日インターネットで調べて見ると、明治から繰り返し山火事が起こっているようだ。ひょっとしたら、花の島になった理由の一つが山火事だったのか?
礼文島歩きの山場はアナマ岩から宇遠内(ウェンナイ)間。荒天時は通行不能という箇所だ。まず急な崖を下ってアナマ岩の海岸へ。ここから約1km、道のない海岸歩きが楽しめる。
今夜の宿営地は香深井の緑ヶ丘キャンプ場。昨日の久種湖畔キャンプ場に劣らず見事に管理されたキャンプ場となっていた。
3日目、緑ヶ丘キャンプ場~礼文(礼文林道コース・桃岩展望台コース)
この日は昼間の暑さを避けるため、朝5時前に出発。
歩き終わってみて思うのだが、「花の島 礼文」は、特に桃岩展望台コースに似合う名前のようだ。この日、様々な花を楽しむことが出来た。
訪れた時期がやや遅く、レブンアツモリソウも、キンバイも見ることが出来なかったが、礼文ウスユキソウは可憐な花を咲かせていた。
途中、草花の写真を盛んに撮っていた人に、あの花の名は何?、と訊ねたら、
「小さな花にしか興味がないから(わからない)」。
なるほど。そういえば私も食べられる草やキノコはわかるが、その外はまるでダメだ(笑)。
礼文ウスユキソウ群生地を過ぎると、島の名所「桃岩」がある。礼文林道コースから桃岩展望岩コースに入るとすぐ、目の前に現れる。納得の形だ。
ここからキンバイの谷・元地灯台を過ぎて斜面を下っていけば、いよいよ終点の知床。到着は9時24分。ここから香深港に戻り、礼文島温泉うすゆきの湯へ直行。
礼文島の花の盛りは6月頃らしい。次に来るチャンスがあればそうしようか。