2度目のHENRO TRAIL①   1番霊山寺〜11番藤井寺

 一年前、春と秋の2回に分けて四国遍路を歩いたばかりだというのに、歩き漏らした遍路道が気になって、また遍路に出掛けることにした。

 

 私の場合、遍路の目的は八十八カ所の由緒あるお寺に参拝して御朱印を頂くことの他に、未舗装の古い遍路道(trail)を歩くことがある。もちろん遍路道のほとんどは舗装された人里の道なのだが、古い街道の家並みや道しるべ・石仏を眺めながら歩くのもまた楽しい。

 今回も1番札所の霊山寺から88番までを一度に巡る「通し打ち」が目標ではあるが、さてどこまで歩けるやら。

 

 準備を始めた矢先、膝に針で刺すような痛みが走った。あわてて医者の診察を受けると、

「老人には普通のこと」

「この程度は医療の対象ではない」

などと言われてしまった。愛読しているブログ「OSA日記」で、膝のサポーター「CW-X」を着用して歩いたという記事を思い出し、早速私も購入。

 

 不安を抱えたまま今年10月17日出発。

 新幹線で岡山へ。ここからマリンライナーに乗り換えて髙松へ。たまたま指定席を取っていたのだが、これが何と二階建て車両。

興奮して乗り込んだのだが、座ってみると、座席の目の前にホームが迫っていて何か落ち着かない。2階にしとけば大満足だったのに。

岡山発のマリンライナー

 列車・バスを乗り継ぎ11時頃に霊山寺口に到着。この日6番安楽寺まで参拝し、寺の裏手県道脇にある駐車場の東屋にテント泊。

 夕食はスーパーで買ったおかずに、持参した無洗米を炊いたご飯。それに日本酒、これは欠かせない。残ったご飯は翌朝の雑炊にという、昨年の遍路で始めた得意メニューだ。

 

 翌18日は7番十楽寺から11番切幡寺に参拝したのち、吉野川を越えて12番札所燒山寺登り口にある藤井寺に参拝。今夜の宿は人気の遍路宿「旅館 吉野」。

 昨年の吉野川越えは日本最大という巨大な川中洲「善入寺島」を経由したが、今年はその下流に架かる長さ840mの阿波中央橋を渡って南岸の鴨島に入った。

 私の住む広島県では、県北を流れる川は江の川となって中国山地を越えて日本海に流れ出ているのをはじめ、他県に流出する川が多い。そのこともあって県下の川が格別小さいのかもしれないのだが、

 それにしても吉野川の巨大なこと。   

吉野川に架かる阿波中央橋。対岸は鴨島

 驚くのははそれだけではない。鴨島の街中には吉野川の伏流水を水源とする巨大な湧水「江川湧水源」もあって、市民の憩いの場となっている。

全国名水百選「江川湧水源」 

 翌19日は険路「燒山寺道」を歩くことになるから、これに備え燒山寺登り口にある11番藤井寺まで参拝しておいた。各札所の納経所は基本8時から開くことになっていて、その時間以前に藤井寺を通り過ぎ、燒山寺道の登りに余裕を持ちたいからだ。 

 (続く)