迫の土井屋敷 岡山県井原市美星町三山 迫

別名 土井の前遺跡、地頭屋敷

標高340m 比髙2m

主な遺構:土塁・堀切

アクセス

美星町三山の美星郵便局西の交差点から、中世夢が原方面へ300mほど進んだところで左折。覚林寺東側に回り込むと、前方に木立に囲まれた微高地が見える。ここに土井屋敷跡がある。

      

 

      

 

 土井屋敷は尾根先端の微高地に築かれている。尾根に面した西辺に横堀が刻まれるが、南辺に回り込んだところで消滅する。北及び西の水田面との高度差は2m前後。横堀に面した西辺から北辺にかけて高さ1~2mの土塁が残る。

 居館跡の南辺は後世の破壊によって不明瞭となっているが、居館の規模は東西40m,南北30mほどであり、土豪の居館としては小規模なものものといえる。

南方には粉米石(結晶質石灰岩)製の五輪塔10基ほどが残る。

 

 遺跡の名称について、『全国遺跡地図』は「迫の土井屋敷」、『岡山県美星町史』は「迫の土井」とする。土井屋敷のある場所が「迫」であることによる名のようだ。

 一方『岡山県中世城館跡総合調査報告書』は「土井の前城」、webサイト「おかやま全県統合GIS」は「土井の前遺跡」としている。土居屋敷跡と伝わるのに「土井の前」という遺跡名にはしっくりこないものがある。

 土井屋敷南方丘陵上には、中世の村を再現した歴史公園「中世夢が原」がある。山城や半農の武士を想定した屋敷などが作られているから、ついでに立ち寄ってみるのもいい。

 

〇印が 迫の土井屋敷跡 ( 国土地理院HP地図・空中写真閲覧サービスより、撮影2007年)

 

参考文献

 岡山県古代吉備文化財センター 『岡山県中世城館跡総合調査報告書』2020年

 webサイト「おかやま全県統合GIS

 文化庁文化財保護部『全国遺跡地図』岡山県 1985年

 美星町史編纂委員会『岡山県美星町史』 1976年