竜王山城  岡山県久米郡久米南町下籾 

標高370m 比髙50m

主な遺構:土塁・横堀

アクセス

 津山方面へ向け国道53号を北上。岡山市域から久米南町上神目に入り、左折して県道375号に入る。曲がりくねった道を4kmほど進むと下籾集落に入る。集落の西側に見える丘が竜王山城だ。いったん城山の西側に回り込み、ここから籾山神社に向かう。城跡は神社のすぐ背後にある。

    

      

 竜王山城は天文の頃岸備前守氏秀が築城し、尼子の旗下に属していたが、永禄元年(1558)10月浦上宗景の攻撃を受けて落城。氏秀は戦死したという。その後この城がどうなったのか不明だが、天正8年(1580)宇喜多直家が垪和郷の高城を攻撃した際、岸一族が竹内氏と共に高城に籠城し戦功をあげているから、城は氏秀の死後も岸氏一門によって維持されていたらしい(『美作古城史』)。

 城は宇喜多軍による高城攻撃の拠点となった蕨尾陣・松端陣の背後1.5kmにあり、高城も視界に入る。宇喜多軍の動きを探るには誠に好都合な位置を占めているから、竹内方の拠点として使われた可能性もある。

 横堀に囲まれた主郭は長辺50m、最大幅25mほどの長方形で、西端には土塁が築かれる。『作陽誌』には「四方に塹あり」とあるが、現状では主郭を囲む横堀は東側を除く三方に確認出来るだけで、その深さは2m幅5m前後。東側は小さな段差で数段の平坦面が並ぶ。後世の破壊によるものかもしれない。

 

参考文献

 『新訂作陽誌』 作陽新報社 1975年

 寺坂五夫『美作古城史』作陽新報社 1977年