城山城  岡山県新見市足見

別名:橋本城

標高470m 比髙70m 

主な遺構:土塁・堀切・横堀

アクセス

 新見市中心街から高梁川沿いの国道180号を南下。JR石蟹駅前を過ぎて約5km 、高梁川に架かる橋があって、ここに「足見」の指示板がある。橋を渡って県道474号に入り、高原上の足見集落に向かう。やがて十字路があり、これを右折。左手に養命寺が見えれば、城山城はその東方の丘陵上にある。

    

 

 城山城の周囲には草間台と呼ばれる石灰岩台地が広がっており、南方には石灰岩採掘場もみられる(案内図参照)、

 丘頂に築かれた曲輪はわずかな段差で二段に分かれる。岩山に載ることもあって曲輪の削平は不十分であり、切岸の造成も一部に止まるから、ぼんやりと歩いていたら見過ごしてしまいそうなかすかな遺跡となっている。

 注目点は主郭(1)の周囲を巡る横堀・帯曲輪である。急斜面となる西側を除いて尾根筋は横堀、山腹斜面では帯曲輪となって丘頂を囲む。

 北尾根の堀切a・bのうち、aは単純に尾根を遮断するものだが、bと東尾根のcは水平方向に伸びる横堀で、尾根を外れると帯曲輪となって南尾根の堀切に繋がる。南尾根では三段構えの堀切を刻んで防御を固めているが、これらも横堀を志向したものだ。

 この城は築城工事の多くを堀切・横堀の造成に費やしたような城であり、臨時的な軍事拠点として築かれたものと思われる。

 

 参考文献

 阿哲郡教育会『阿哲郡誌』 1976年

 『日本城郭大系 13 広島・岡山』新人物往来社 1980年