標高478m 比高130m
主な遺構 土塁・横堀・竪堀
アクセス
東城市街から西城方面に向けて国道314号をしばらく進むと、足立方面に向かう県道12号の分岐がある。右折して県道に入れば、道の正面に見える山に城殿山城がある。芸備線の線路を越え、左折して比奈集落に入り、城の西側斜面に回り込んで登る。


城は東城市街の北西2km、南には成羽川、北東には栗田川の谷筋を見渡す丘陵上に築かれている。
北辺に開かれた虎口のうち、図中aは直進して入る単純な虎口だが、bは入り隅部分に開かれて横矢掛かりとなる。
主郭南側には横堀が巡り、その両端は竪堀となって下方斜面に伸びる。南方には不明瞭な尾根が延びるから、この横堀・竪堀は南尾根を遮断する堀切の変形したものといえる。東斜面側では土塁と竪堀群によって腰曲輪側面の防御を固める。
緩斜面の広がる丘頂に築かれた城であり、曲輪内には削平不十分なところが残るし、切岸も2m前後と高くはないのだが、土塁・横堀・竪堀・食違い虎口など、工夫を凝らした縄張りといえる。江戸期の地誌に記載されていないことも併せ考えれば、在地領主の本拠としての城ではなく、臨時的な城塞と考えられる。

参考文献
広島県教育委員会『広島県中世城館遺跡総合調査報告書』第4集 1996年
東城町史編纂委員会『東城町史』通史編 1999年